どうも、医学生シン(@BodymakeShin)です!
先日、映画『プラダを着た悪魔』を見て、色々と考えさせられました。
その中でも、この記事では『仕事人として突き抜けるにはどうしたらよいか』について自分の考えをまとめます。
映画『プラダを着た悪魔』は、敏腕編集長ミランダの下で主人公アンディが成長していく物語です。
ミランダは上司という立場に笠を着て、部下に無理難題を課しています。その無理難題が、時にアンディの成長につながっていたりもしますが、たいていは自分のための命令です。
その様子から、私は1つのヒントを得ました。仕事人として大成する秘訣は、『外注』を駆使することにあるのではないか、と。
この記事では、作中でミランダが行っている『外注』について解説し、外注と出世の関係性について私の考えをまとめます。
なお、この記事は映画『プラダを着た悪魔』のネタバレを含みますので、映画を見てから読むことを推奨します。
作中で行われた『外注』
一般に外注という言葉は、『ビジネスにおいて自社ではできないことを外部に委託する』という意味で使われるでしょう。
しかし、この記事では外注という言葉を『本来自分でやるべきことを他者に任せる(丸投げする)こと』という意味で使います。
映画の中でミランダは、『こんなことまで丸投げするのか?!』という驚きの外注を見せています
倫理や道徳を考えれば外注は良くありませんが、自分だけが成り上がることを考えればかなり優秀なライフハックです。
ですので、ひとまず倫理や道徳は脇に置き、作中でミランダが部下に行った外注を解説します。
- プライベートの雑事
- パーティーの出席者の名前を覚える
- 分かりやすく喋る
プライベートの雑事
昨今、女性の社会進出についての議論がどんどん盛んになっています。
例えば、子供を保育園に迎えに行かなくてはならないので残業ができず、そのせいで家庭のある女性の出世が遅れているのは問題だ、といったようにです。
これについては『男性がもっと家庭を運営する努力をするべき』『会社の福利厚生をもっと充実させるべき』など様々な意見がありますが、ミランダはもっと別の解決策を実行しています。
つまり、部下に家庭の雑事を押し付けているのです。
- 子供の宿題
- 荷物の受け取り
- 犬の散歩
- 子供の娯楽本の調達
こういった様々な雑事をミランダはアンディに押し付けています。
いうまでもなく、これらはミランダが自分でやるか、家事代行のようなサービスを雇って任せるべきことです。
しかし、ミランダは泥臭くてしんどいことを部下に押し付け、その時間を生産性の高い業務に充てています。
しかも、ミランダは授業参観のような『花形行事』は自分で参加して『良い親』という顔をしています。
傍から見れば姑息な所業ですが、見方を変えると円満な家庭を運営するには良い方法です
自分は親になったことがないので想像でしかありませんが、親が子供につらく当たってしまうのは『日々の雑事に疲れてしまったから』ではないでしょうか。
そうであるのなら、しんどいことを部下に押し付ければ、『余裕のある優しい母親』の仮面を維持できます。
部下の心労やキャリア形成が遅れることを考慮しなければ、仕事の成果を挙げつつ家庭を円満に保つ良策と言えます。
パーティーの出席者の名前を覚える
また、誰でもできる仕事を部下に押し付けるのも有効です。
作中で出てきた『誰でもできること』の筆頭は、パーティーの出席者の名簿の暗記です。
ミランダは、自分では出席者名簿を覚えず、アンディとエミリーに任せています。
英単語の暗記のように、出席者の顔と名前を一致させるのに特別なスキルは必要ありません。
地味に、覚えられるまでひたすら出席者名簿と向き合うだけです。
ただただ時間と精神力を食いつぶす作業を他者に任せれば、自分は専門性の高いことに集中できます。
コミュニケーションコスト
そして、ミランダが部下に押し付けていることの最たるものは『コミュニケーションコスト』です。
- 相手が受け取りやすいように言葉を選ぶ
- メモや記録が追いつくようにゆっくり話す
- 電話でなく、メールやメモなどで指示を渡す
ミランダはこういったひと手間を惜しむので、アンディは常に大忙しです。
作中で一番『こんなことまで?!』となったシーンは、『新作の衣装に対する自分の考えを周囲に読み解かせる』シーンです。
このシーンではミランダが口をすぼませるのを『その衣装はボツ』という意味だとナイジェル(アンディの上司)が読み解き、アンディに解説しています。
阿吽の呼吸と言えば聞こえは良いですが、こんなものは『コミュニケーションコスト』の押し付けに他なりません。
しかし、ミランダの視点に立てば、こんなに楽なこともありません。
なにせ、他者に分かりやすく自分の考えを伝える手間を惜しめば、その分の精神的なリソースを他のことに割くことができます。
外注を駆使するには?
このように見ていくと、仕事におけるチームを1羽の白鳥に例えるなら、外注とは『水面下で足をばたつかせる役割を他者に押し付け、きれいな役目を独占する』と表現できそうです。
当然、そんな都合の良い状態は誰だって望みます。
しかし、『外注』を使えるのはごく一握りの社会的強者のみです。
では、外注を駆使するためのポイントは何でしょうか。
この映画を見て思ったのは、『1人目の信者』を獲得することが最も重要なステップだということです
作中でナイジェルはミランダに忠実であり、信奉者とさえ言えます。ひどい仕打ちを受けても、ナイジェルはミランダを心底見限ることはできません。
いつだってナイジェルはミランダに従い、『ここで大事なのは彼女(ミランダ)の意見だけ』とまで言っています。
ミランダの横暴に耐えかねてアンデイがナイジェルに泣きついた時も、ナイジェルは完全にミランダ寄りの考えです。
つまり、一旦信者を獲得しさえすれば、新しい信者の獲得さえも『外注』できるのです。
そうして増やした信者に面倒臭い仕事を『外注』すれば、自分はより実りのある仕事に取り掛かれます。
クリエイティブな仕事には、自分が王様となれる環境が有効というわけです。
注意点:外注は悪魔の契約
さて、ここまで『外注』や『信者』の有用性に触れてきましたが、当然『外注』は諸刃の剣です。
当たり前ですが、自分の信者ではない人間には、外注は良く映りません。
部下にしんどいことや泥臭いことを押し付け、傍若無人に振舞う様は、まさに『悪魔』と言って差し支えないでしょう。
ミランダが2度目の離婚でマスコミに叩かれることを予見して嘆いていましたが、これはある程度『身から出た錆』の要素もあるのではないかと思わされます。
つまり、悪魔のような振る舞いは成功を引き寄せるけれど、同時に人の悪意も引き寄せてしまうということです。
映画の最後にアンディが、悪魔になるくらいならファッション業界で成功しなくていいと決断したのも頷けます。
この記事で言いたいのは、
- 爆発的な成功の秘訣は、周囲からエネルギーを吸い上げること
- しかし、そうすると悪意も引き寄せてしまう
- ならば、そこそこの成功でよいのでは?
ということでした。
映画『プラダを着た悪魔』について別の記事も書いていますので、そちらもご覧ください!
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