どうも、医学生シン(@BodymakeShin)です!
この記事では、最近読んだ『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』という本で紹介されている『7つに質問』を活用し、自己分析を試みます!
この本の著者のピョートル・フェリクス・グジバチ氏はポーランド出身のベテランビジネスマンです。この本ではグローバルな視点から、これからの日本人が身につけたい『深みのある雑談』を説いています。
本を通してピョートル氏は、ラポール(相手との信頼関係)を築く原則として、次の3つを聞き出すべきだと主張しています。
①「価値観」 何を大切にしているのか?
世界の一流は「雑談」で何を話しているのか ピョートル・フェリクス・グジバチ クロスメディア・パブリッシング(インプレス) 2023/3/31 25ページ
②「信念」 何が正しいと思っているのか?
③「希望・期待」 何を求めているのか?
そして、ピョートル氏はこの3つを聞き出すための質問を7つ設定しています。
質問①あなたは仕事を通じて何を得たいですか?
質問②それはなぜ必要ですか?
質問③何をもっていい仕事をしたと言えますか?
質問④なぜ今の仕事を選んだのですか?
質問⑤去年と今年の仕事はどのようにつながっていますか?
質問⑥あなたの一番の強みは何ですか?
質問⑦あなたは今どんなサポートが必要ですか?
世界の一流は「雑談」で何を話しているのか ピョートル・フェリクス・グジバチ クロスメディア・パブリッシング(インプレス) 2023/3/31 145.146ページ
著者曰く、これらの質問をすれば、相手のビジネスの本質に触れることができるそうです。
今回の記事ではこれらの7つの質問を自問自答に用いて、医学生の段階の自分の『仕事観』を深堀りし、今後の就活(マッチング)で活かすための自己分析をします!
質問①あなたは仕事を通じて何を得たいですか?
私が仕事を通して得たいのは、『生活するのに十分なお金』『他人や社会のために役に立っているという実感』『同業者からの信頼』です。
まず、生活するのに十分なお金とは、『自分含めて4人家族を養い、子供2人は大学まで行かせてあげられるくらいの収入』を指します。

自分が親にしてもらったことなので、これは譲れない点です
『他人や社会のために役に立っているという実感』は、自分が提供する医療が個人の幸福と公共の福祉に寄与しているという実感です。
私は医療には『社会のセーフティーネット』としての側面と『傷つき病んだ労働力の再生産』としての側面があると考えています。
『社会のセーフティーネット』というと、これまで健康であっても突然事故や病気に遭遇する可能性はあるため、その可能性への備えとしての医療があるということです。
これは個人の幸福につながっています。
『傷つき病んだ労働力の再生産』は、今働いている人やこれから働く人を治療し、社会の発展に寄与することを目指します。
こちらは公共の福祉に貢献します。
私の理想の医師像は、ときに対立する2つの側面に折り合いをつけて、高いバランスで両立する医師です。
そして最後の『同業者からの信頼』は、病院実習中に自分の指導医だった外科の先生が目標です。その先生は穏やかで物腰柔らかい先生でした。
人格だけではなく手術も上手いので、周囲の先生から頼りにされているのが学生にも伝わってきました。
質問②それはなぜ必要ですか?
私は『生活に十分なお金』は求めていますが、逆に言えば法外な報酬は求めていません。
臨床医であれば報酬の下限値がある程度保証されているので、生活に困ることはあまり考えられません。
また今の時代、様々な娯楽が安価で提供されていますし、安価でないものは『高いことに価値がある』というブランド戦略で売られているものがほとんどです。
ゆえに、羽振りがいい科に進もうとは考えていません。
『他人や社会のために役に立っているという実感』や『同業者からの信頼』は、まとめると『医師として承認・称賛されること』です。
私は『仕事人としての自尊心』が人生の幸福の重要なファクターだと考えています。
社会人になれば多くの時間を仕事に捧げることになります。医師には定年がありませんから、私は自分が限界を感じるまでは働くことになるでしょう。
もしも私が『医師としての自分』に価値を感じることができなければ、それは人生に暗い影を落とすと思われます。
質問③何をもっていい仕事をしたと言えますか?
まだ私は医師ではありませんから、この質問に答えるのは難しいです。
しかし以前に患者として手術を受けた際に、『良い医療を受けた』と感じた理由なら言語化できます。
まず、外科医と麻酔科医の先生が私に敬意をもって接してくれたことがあります。学生だからと侮らず、不安や心配に耳を傾けてくれました。
また、その時点で医学生だったので『切除する組織を見せてほしい』とお願いし、それを叶えてくれました。

手術が成功したうえで私の人格を尊重してくれたから、私は患者として満足したのだと考えています
質問④なぜ今の仕事を選んだのですか?
まだ私は医師ではありませんが、医学部を選んだ理由なら答えられます。

私が医学部を選んだのは、親が医師だったからです
私は父親が医師で、幼いころから医師になることを勧められて育ちました。
私にとって将来医師になることは当たり前で、そこに疑問をさしはさむ余地はありませんでした。
質問⑤去年と今年の仕事はどのようにつながっていますか?
私はまだ医師として働いていないので、この質問は『これまでの勉強は今の病院実習にどのようにつながっていますか?』に変更します。
これまでの勉強で、病院実習で一番役に立っているのは『解剖学』と『病理学』です。
私はどちらかと言えば外科志望なのでオペの術式を集中して学んでいますが、解剖学の知識は大いに役に立っています。
例えば、大腸癌を切除する術式なら、切除する部位によって切離する動脈が変わります。
また、どの科の病態を考えるのにも『病理学』の知識・考え方は必須です。

私は病態を理解して納得しないと気が済まないので、病理学の知識は特に役に立っています
質問⑥あなたの一番の強みは何ですか?
私は自分が優れていると思っていないし、間違えて当然だと思っています。
もしかしたら、自分のこういった気質は強みなのかもしれません。
実習でも、指導医の先生から『自分で考える姿勢はいいね』と褒められることがあります。他のメンバーはすぐに解答を調べて読み上げるので、そこを買われたのかもしれません。
私は解答を調べるよりも、自分の頭で考えて間違える方が覚えると考えています。
病態を考えるのも訓練が必要なので、解答を調べるのではなく、間違えてもいいから自分で考えることが大切です。
質問⑦あなたは今どんなサポートが必要ですか?
まだ働いていないので、この質問も『研修病院にどんなサポートを求めますか?』に変更します。
私が研修病院に求めるのは、指導医からのフィードバックです。
研修医の裁量が大きかったり、多くの症例を積むことができても、指導医の先生から丁寧なフィードバックがないと、反省の機会が設けられません。
よくPDCAサイクルと言われますが、Dばかりさせてもらえても、CやAがおざなりでは意味が薄いです。
実習でもレポートやプレゼンが課されますが、フィードバックがないとなかなか反省につながらなかったです。
これまでの実習でも、学生のアセスメントを聞いてくれて、一緒に考えてくれる科は成長につながったような実感があります。
自己分析してみて
質問①あなたは仕事を通じて何を得たいですか?
質問②それはなぜ必要ですか?
質問③何をもっていい仕事をしたと言えますか?
質問④なぜ今の仕事を選んだのですか?
質問⑤去年と今年の仕事はどのようにつながっていますか?
質問⑥あなたの一番の強みは何ですか?
質問⑦あなたは今どんなサポートが必要ですか?
世界の一流は「雑談」で何を話しているのか ピョートル・フェリクス・グジバチ クロスメディア・パブリッシング(インプレス) 2023/3/31 145.146ページ
今回、『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』という本で紹介されている7つの質問を活用して自己分析してみました。
その結果、見えてきたのは『私は良い仕事の基準を持っていない』という事実です。
質問⑤~⑦が曖昧なのは学生なのである程度仕方ないですし、質問④は診療科を選ぶ段階で考えることでしょう。
しかし、質問③を患者目線でしか語れないのは医学生として手落ちです。
研修医になれば変わってしまうとしても、学生のうちから『良い医療の基準』を持っているべきだと感じました。
春休みが明けてからの実習では、先生たちが『どんなゴールに向けて医業を行っているのか』にも着目してみようと考えました。
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