どうも、医学生シン(@BodymakeShin)です!
突然ですが、読書好きってかっこいいですよね。
なんだか知的な印象を受けますし、珈琲を片手に読書って優雅な感じがして憧れちゃいます(笑)
『あいつは読書好き』という評価が欲しいばかりに、人前でこれ見よがしに本を読んだりしてアピールしてしまうことってあるんじゃないでしょうか。
しかし、読書を心から楽しいと思ったことがある人は少ないですよね。夏休みの読書感想文を除けば、ほとんど本なんか読まないって人は多いでしょう。
私はこれを、読書の楽しみ方を知らないからだと考えています。
そこで、この記事では有名過ぎる小説『シャーロック・ホームズ』を例に挙げて、様々な読書の楽しみ方を解説します。
本にはいろいろな楽しみ方があり、読書とは自由な精神活動なのだと知っていただけたら幸いです。
読書の楽しみ方①:キャラクター性を楽しむ
あまり本を読まない、本を読むと眠くなるという人は、まずキャラクター性を楽しむのがおススメです。
シャーロック・ホームズと聞いて、皆さんはどんな人物を想像するでしょうか?
- タバコを吸うのか
- 運動は得意か
- おしゃれ好きなのか
シャーロック・ホームズという名前は聞いたことがあるのに、どんな人物かは良く知らないのではないでしょうか。
漫画『名探偵コナン』やドラマ『相棒』などでは、探偵は正義感が強くて礼儀正しく、しかし自分の意志にのみ従う人物として描かれています。
しかし、本家のシャーロック・ホームズのキャラ性は、現代の日本で共有されている『名探偵』のイメージから少しずれています。
ホームズの『スポーツ万能』『博識』といった特徴は現代日本のイメージ通りですが、『偏屈』『無愛想』といった特徴も備えています。
読書において、キャラクターに対する『あなたはどんな人物ですか?』という興味は、最もスタンダードな楽しみ方の一つです。
シャーロック・ホームズってどんなキャラクターなんだろうという好奇心を持って読んでいただければ、きっと最初から最後まで楽しめるはずです。
読書の楽しみ方②:シチュエーションを楽しむ
さて次は、物語のシチュエーションを楽しんでみましょう。
例えば、推理小説では、『探偵と怪盗の対決』はド定番のシチュエーションです。
実は、名探偵シャーロック・ホームズと怪盗ルパンも対決しています。
小説『ルパン対ホームズ』はコナン・ドイルの著作ではなく、またコナン・ドイルの許諾を得てもいないそうですが、作品の素晴らしさを損ねる事実ではありません。
探偵・刑事VS怪盗の対決は、もう使い古されたと言っても良いほど様々な作品で登場する様式美です。
様式美は、スポーツで言うところの『定石』です。基本的には守られますが、あえて外すことでオリジナリティが生まれます。
そして、推理モノに限らず、恋愛小説や青春小説にも一定の様式美はあります。
恋愛モノなら、いがみ合ってた男女が段々と打ち解けて恋仲になっていくとか。
青春モノなら、ライバル視する2人が殴り合いのけんかの果てに互いにリスペクトを抱くとか。
なにか好きなシチュエーションがあって、それにゆっくりと浸るというのも楽しみ方の一つです。また、様式美への入り方や魅せ方に作者のオリジナリティを見出して、それを楽しむというのもアリです。
例えば綺麗な純愛小説なら、特にドロドロとした転帰を経ずに、恋人は美しく結ばれます。そういった美しい恋愛を読み、春の柔らかい木漏れ日を浴びるように楽しむのもよいでしょう。
あるいは、2人の出会い方や距離の詰め方、発生するイベントになにか作品独自の要素を見出すのも一興です。
読書の楽しみ方③:世界観を楽しむ
少し変化球気味な小説の楽しみ方に、世界観を味わうというのもあります。
シャーロック・ホームズは分かりやすく、19世紀のイギリスが舞台です。
まだ帝国主義や啓蒙主義が幅を利かせていた時代で、アジア人やアフリカ人へのナチュラルな差別意識が行間から読み取れます。
また、宗教(キリスト教)がまだ権威を保っていた時代なので、村人が得た利益を神父がピンハネする描写があったりします。
物語の本筋からは少し逸れてしまいますが、シャーロック・ホームズの行間からは、現代の日本とは全く違う『19世紀ロンドン』の物の考え方や食習慣、果ては恋愛のトレンドまで読み取れます。
まるで博物館にいったときみたいに、自分の知らない世界を覗けます
今と全く異なる時代に書かれた『当時の現代小説』は、当時の世相をそのまま反映しているので、小説の世界観を味わうのにちょうどよいですね。
もちろん、現代小説にも文章が綺麗で、背景や情景をイメージしやすい作品もあります。
最近私が読んだ作品では、『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』が文章が綺麗で読みやすかったです。
この作品は女性のファッションに着目した恋愛小説で、服装のイメージがすっと頭に湧いてきます。
大切なのは、物語の情景がはっきりとイメージできることです。
これには読者の読解力も必要ですし、また作品との相性も大切です。若いからこそ感じ取れることもありますし、大人にならないとわからないこともあります。
読書の楽しみ方④:作品の文脈を楽しむ
また、映画化やドラマ化した作品を原作と比較するのも粋な楽しみ方です。
映像では意図が分からない描写が、実は原作に忠実に従った結果だったりします。
また、原作のキャラ性を変えずに分かりやすく映像化するために、展開が変わったり足されたりもします。
こういった映像化する過程で生まれる『文脈』も、作品の魅力の1つです。
シャーロック・ホームズも映画があり、戦闘シーンは映画オリジナルの展開です。
逆に、主人公の空気の読めなさや偏屈さは原作通りです。
別の作品を挙げれば、ハリーポッターは原作の小説と映画がかなり違います。
特に4巻の『炎のゴブレット』は差異が目立ちます。
私は、映画やドラマはガッチガチに原作の展開を守る必要はないと考えています
もちろん、原作者の意向は尊重し、敬意を持つことは大前提です。
しかし、媒体が変われば最適な表現方法が変わるのは当然なので、必要なら変えることも重要です。
そして、その変えた部分が楽しむポイントになります。
また、作品が書かれた時代の世相も併せて作品を楽しむのも面白いでしょう。
例えば、その時代に流行った学説や、影響力が強かった影響力が強かった学派など。
多くの作品の最後のあとがきや解説では、こういった要素を絡めて作品が解剖されています。
読書の楽しみ方⑤:謎解きを楽しむ
シャーロック・ホームズのようなミステリー小説は、謎解きこそが醍醐味です。
ミステリー小説にもいくつか種類があり、すべての伏線が回収されるかどうかで2つに分類できます。
すべての伏線が回収され、作者の考える『解答』が提示されるタイプの小説は、最近読んだものでは『六人の嘘つきな大学生』があります。
このタイプの小説は、ちりばめられた伏線が最後に回収され、『解答』が示されます。
途中まで読んで自分で答えを見つけて、最後まで読むと答え合わせができます。
一方で、すべての謎に解答が提示されるわけではない小説に、『恋に至る病』があります。
このタイプの小説は、結末の解釈を読者に託しています。
『恋に至る病』なら、主人公の寄河景の人間性が作品の最大の謎ですが、最後まで『解答』が示されません。最後まで読んで、自分なりの答えを見つけるしかありません。
さて、謎解きを楽しむのは、ミステリー小説の一番の楽しみ方です。しかし、今回は最後に持ってきました。
なぜなら、読書初心者には『謎解き』は意外とハードルが高く、途中で読むのをやめてしまう原因になりかねないからです。
謎解きを楽しむには、何度も本を読み返さないといけません。
また、作品にちりばめられる謎は一つとは限りません。一つ一つの謎に答えを見つけるのは骨の折れる作業です。
読書上級者やミステリーファンには苦にならないでしょうが、読書初心者にとってはハードルが高いでしょう。
そもそも、ミステリー小説を読むときは自分も謎解きに参加しなくてはならないというわけではありません。
この記事で私が言いたいのは、本の楽しみ方は自由だということです。
- キャラクター性を楽しむ
- シチュエーションを楽しむ
- 世界観を楽しむ
- 作品の文脈を楽しむ
- 謎解きを楽しむ
ここまで読書のさまざまな楽しみ方を解説してきましたが、あくまでもこういった楽しみ方が一般的というだけです。
読書初心者の方は、今回ご紹介した楽しみ方を上から試してみてください。しっくりくる楽しみ方が合ったら、別の作品でも同じように楽しめるでしょう。
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