どうも、医学生シン(@BodymakeShin)です!
今回の記事では、『コスパってそんなに大事かな?』ということについての私の考えを書いていきます。
少し短めです!
無用の用
古代中国の思想家・荘子の言葉に『人みな有用の用を知りて、無用の用を知るなきなり』というのがあるそうです。
ざっくりと意味を説明すると、みんなパッと見て使えそうなものは有用だと分かるのに、活用法がすぐにわからないものは切り捨ててしまう、という意味です。
古典に詳しいわけではないので、専門家の方は私の解釈に一家言あるかもしれませんが、概ねこう言う意味です。

この言葉、実に多くの示唆を含んでいると思いませんか?
何の役に立つかわからなかったものが、実は大変な発見だったということは歴史上よくあります。
最近の例だと、ある鳥が移動する法則が、鳥を介して広がる感染症の蔓延防止に役立った事例があります。
毎年発表されるイグノーベル賞だって、この無用の用を取りこぼさないためのものです。使えそうなもの、すぐに活用できそうなものばかり持て囃す姿勢に一石を投じています。
コスパって大事?
また、この言葉は生き方にも言えます。
現代日本で流行っているコスパ重視の姿勢は、いわば有用の用です。
本屋の自己啓発本コーナーに行くと、『最速で結果が出る!』とか『〜のための最短ルート!』みたいな謳い文句が目立ちます。

しかし、地道な努力が道を開くこともありますよね
まだ大学生でしかない私は社会人の経験はありませんが、受験の経験はあります。
大学受験で最後に役に立ったのは、理解している知識です。そして、付け焼き刃ではない理解をするには、コスパ度外視で繰り返し勉強するしかありません。
基本的な問題を解くとか、典型的な証明問題の型を覚えるとか、そういった地道な勉強が大切です。
いわば、学力の柱となるのは、無用の用です。
そして、これは医学勉強でも同じですね。
試験に受かることだけ考えれば、病態の理解は必要ありません。キーワードを一対一対応で覚えれば事足ります。
しかし、実際に患者さんの体に起こっている変化を考えるときに、語呂合わせや丸暗記した知識は役に立ちません。
病態の理解は難しくてややこしいので敬遠しがちですが、将来のことを考えると頑張ろうって思えます。

『人みな有用の用を知りて、無用の用を知るなきなり』、大事にしたい言葉です
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