どうも、医学生シン(@BodymakeShin)です!
今回は、最近読んだ『図解「いいキャリア」の育て方「5つの資」から考える人生戦略』という本をご紹介します!
この本を読んで私は、『キャリアへの向き合い方』について学びました!
この記事ではこの本の簡単なあらすじと、読んでいて思わず唸らされた『ブラック企業』の定義をお話しします!
本のあらすじ
この本の著者・青田努氏は人事のプロであり、また人生で新しい挑戦をしているエネルギーにあふれる人です。
この本では、5つの『資』に着目してキャリアを5段階に分けて解説しています。
キャリアは「①資格」→「②資源×③資質」→「④資本」→「⑤資産」という捉え方をすることができます
図解「いいキャリア」の育て方「5つの資」から考える人生戦略 青田努 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2023/7/21 4ページ
⑤資産は一般的な意味ではなく、働く理由、キャリアの最終ゴールです。
これは人によりけりですが、医師であれば『蓄え』や『人脈』『命を救ったという実感』『アカデミアでの地位』などが該当します。
そして『資産』を得るためのスタート地点が①資格であり、医師免許が分かりやすい例です。
そして医師免許を得たら、研修病院で働きながら②資源を④資本に変換していきます。
②資源は働ける時間や体力、科への新鮮な興味が該当し、加齢で減っていきます。
④資本は専門医や学位、知識や技術がその代表例で、『手に職つける』の『職』です。
③資質は、②資源から④資本への変換効率を決定する要素の1つです。外科医であれば『手先の器用さ』『血管や神経を見逃さない目』などがあります。

本書では、キャリアの5つの『資』とどう向き合うかが各章で述べられています
この本は、『キャリアの全体像がよく分からない』『今何すればよいか分からない』という人におススメです。
私も『キャリア迷子』でしたが、今は『①資格』にフォーカスする時期だとわかり、『何に迷えばよいか分からない』状態から脱却できました。
ブラック企業の定義
この本を読んで一番印象に残っているのは、『ブラック企業の定義』です。
ブラック企業と聞くと、『労働時間が長い』『休みをとりにくい』などのイメージが湧きます。
しかし、著者の青田努氏は別の基準を設定しています。
世に言う「ブラック企業」というのは、この資源から資本への転換がしづらい企業や働き方のことを指すのではないでしょうか
図解「いいキャリア」の育て方「5つの資」から考える人生戦略 青田努 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2023/7/21 48ページ
資源とは、体力や時間といった有限のリソースで、資本とは専門性などのことです。
目指すべき理想的なキャリアでは、自分が咲ける場所で資源を資本に変換していきますが、ブラック企業では『資源の切り売り』が続きます。
逆に、仮に労働強度が高くとも、資本が得られるのなら『ブラック企業』ではないというわけです。

これ、すごく分かりやすくて納得できる話ですよね
例えば、伝統的な日本企業で行われるジョブローテーションは自社でしか通用しない人材を作りかねないため、多少なりともブラック性を帯びています。
また最近増えている例では、研修医がお客さん扱いされるのも、こういった視点で見れば『ブラック』と言えますよね。
指導医がハラスメントの疑いをかけられるのを嫌い、研修医を甘やかすことが増えています。確かに理不尽な扱いはするべきではないですが、何もさせないのはどうかと思います。
初期研修は、みんな必ず2年間を費やします。つまり、必ず2年分の資源を費やすことは確定しているわけです。
それなのに、その2年を知識や手技といった資本に変換できないのは受け入れがたいです。

これまでは初期研修先を『待遇』や『給与』で探していましたが、『研修医の裁量』や『指導医のフィードバック』もちゃんとチェックしなくてはならないと気づきました
自分にとってブラックかどうかは、今の待遇だけでなく、自分のキャリア全体を考えて判断するべきですね。
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