どうも、医学生シン(@BodymakeShin)です!
この記事では、最近読んだ『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』という本をご紹介します!
この本を読んで私は、『雑談とは何か』について学びました!
日本語で雑談と言うと、『隙間時間を沈黙にしないための無目的な会話』という意味で使われることが多いです。
そして、『コミュニケーション能力がある』『話し上手』という表現は、『雑談を上手くこなせる』という意味で使われがちです。
しかし本書では、雑談やコミュニケーション能力を『相手と信頼し合うためのもの』と位置づけ、雑談を上手く活用するために必要なことを解説しています。
著者のピョートル・フェリクス・グジバチ氏は、ポーランド出身のビジネスマンとして、日本のみならず様々な国のビジネスマンと仕事をしてきたベテランビジネスマンです。
本書は主にビジネスでのコミュニケーションはどうあるべきかを説いていますが、私は生活全般で活かせる内容だと考えています!
無条件の肯定的関心
本書において、特に私の関心を惹いたのが『無条件の肯定的関心』という概念です。
著者のピョートル氏曰く、無条件の肯定的関心は次のようなものです。
無条件の肯定的関心とは、相手の話を良し悪しや好き嫌いで判断せず、「なぜそのように考えているのか?」を肯定的に知ろうとすることです
世界の一流は「雑談」で何を話しているのか ピョートル・フェリクス・グジバチ クロスメディア・パブリッシング(インプレス) 2023/3/31 34ページ
『相手の話を良し悪しや好き嫌いで判断せず』というのは、ざっくり言ってしまえば『相手の話に同意できるか』は一旦置いておくということです。
例えば、少し関係がギスギスし始めた夫婦なら。
専業主婦の妻が会社勤めの夫に『もっと家事を手伝ってほしい』と言ってきたとして、夫が『俺は仕事終わりで疲れているんだよ!』なんて言ってはいけませんよね。

こんなことを言ってしまっては、離婚へまっしぐらです
夫は『実際に自分が担当する家事を増やすか』は一旦脇に置いて、『なぜ妻はこのように訴えるのか』を聞き出さないといけません。
もしかしたら、妻は産後で体力的に家事をこなすのがしんどいのかもしれません。あるいは、自分が家事をしているすぐそばでグータラされるのが許せないのかもしれません。
前者であるなら、夫が家事を手伝うこと以外にも、時短家電を買ったり家事代行を雇ったりと他にも選択肢が生まれます。しかし後者であるなら、時短家電や家事代行は逆効果になりかねません。
この『相手の考えや言動の背景』を知ろうとすることが、『無条件の肯定的関心』です。
ピョートル氏は、雑談で信頼関係を築くにはこの『無条件の肯定的関心』が不可欠だと述べています。
下ネタと愚痴以外の雑談
著者のピョートル氏は本書で、『日本のサラリーマンの中に少なからず下ネタと愚痴しか雑談のネタがない人がいる』と嘆いています。

これも『無条件の肯定的関心』の欠如ゆえと考えれば矛盾はありません
日本語で言う『雑談』とは、場の雰囲気が和むための会話です。そして日本式雑談の最終目標は『その場が話し声と笑い声で満ちること』です。
ピョートル氏が指摘するように『信頼関係を深める』『互いに自己開示する』という目的がすっぽりと抜け落ちています。
下ネタや愚痴は、相手のバックグラウンドに関わらず『盛り上がっている雰囲気』を作りやすく、もはや1つの定型となっています。
確かに、相手の考えに肯定的な関心を寄せ、質問や話題を相手に合わせてデザインするというのは、頭を使うし失敗のリスクを伴います。
しかし、盛り上がっている雰囲気作りを目指しても、本質的には相互理解は深まらず、信頼関係の足掛かりになることもありません。
つまり、雑談の目的を切り替えることが必要です。
雑談の目的を『騒ぐこと』から『相手のことを知ること』に切り替えれば、相手に肯定的関心を持つことができ、自然と『下ネタと愚痴』以外の話題が挙がるでしょう。
本書では『無条件の肯定的関心』以外にも、対人コミュニケーションで意識するべきことが様々説かれています。
雑談に苦手意識がある人は、この本を手に取ってみてはいかがでしょうか。
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