どうも、医学生シン(@BodymakeShin)です!
この記事では、最近読んだ恋愛小説『夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く。』をご紹介します!
この作品は、以前紹介した『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』と同じ作者の作品です。
どちらの作品も、綺麗な恋愛をテーマにしています。
しかし、『夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く。』の特徴は、ヒトの強さと弱さは表裏一体だと描いている点です。
とりあえず、タイトルの意味が分かるところまでは読んでほしいと思います。
あらすじ
この小説は、青春恋愛小説の一つの王道を押さえています。
堅物委員長と自由奔放な少年の恋愛物語です。
主人公の茜は、過去に色々あって本心を外に出すのが苦手な少女です。家族にもあまり本音を伝えられず、鬱屈とした日々を送っています。
高校でも本心を隠し、優等生として過ごしていた茜ですが、ある日茜の『優等生の仮面』を歪ませるような出会いがありました。
隣の席の絵描き少年・青磁が、『お前のことが嫌いだ』と言い放つのです。
青磁は自分に嘘をつかず、やりたいことをやりたいと叫ぶ人間です。
彼は強引に茜の心の扉を蹴破って、本心を叫んでもいいんだと諭します。
青磁のおかげで自己主張ができるようになった茜は、段々と青磁に惹かれていきます。
一方の青磁も、屈託なく笑うようになった茜を憎からず思っていて……
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と、このようにこの小説は、学園ものの尊い要素を煮詰めたような作品です
王道のスクールラブを読みたいのなら、この作品はファーストチョイスです。
終盤にどんでん返し
ここからは、作品についてのネタバレを含みます。一度作品を読んでから、この先を読み進めることをオススメします。
小説の締め方は、難しいものがあります。
恋愛小説は特に、山あり谷ありを求められます。
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男と女が出会いました、付き合いました、終わり。これではつまらないですよね
物語にはスパイスが必要です。
例えば、有名どころでは『ロミオとジュリエット』は悲劇をスパイスとしています。前半のTinderめいたアツアツの恋愛は、最後(最期)があんなだからこそ映えますよね。
この作品では、どんでん返しをスパイスにしています。
物語終盤、コンクール会場で青磁の既往歴が明かされます。彼は小児科に脳腫瘍を患っており、そのせいで長い入院生活を余儀なくされていました。
茜が綺麗だと思った白髪は死の恐怖と闘病の苦しみの象徴であり、美しい空の絵はもともと闘病生活の慰めだったのです。
青磁の他人を引き付ける魅力は、実は青磁の弱さや怯えからくるものだったのです。
こういった、物語の終盤で新情報が追加され、何気ない描写の意味が全く変わってくる演出は、個人的に大好物です。
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