どうも、医学生シン(@BodymakeShin)です!
この記事では、最近読んだ小説『恋に至る病』がすごく面白かったのでご紹介します!
この本は、優秀で善良だったはずの少女が100人以上を自殺に追いやる化け物に変貌する過程と、彼女を一番近くで見ているしかなかった幼馴染の少年の葛藤が描かれています。
比較的マイルドではあるものの、死や暴力の描写があるので、そういったものが苦手な人は避けた方が無難かもしれません。
こんな人におススメ!
小説『恋に至る病』は、様々な見方ができる物語です。
- 歪な恋愛小説を読みたい
- ぶっとんだキャラクター性を味わいたい
- 解釈が分かれる物語を読みたい
- どんでん返しを味わいたい
こういった人におススメです。
恋物語としてみれば、成長していくごとに怪物性を露わにしていく少女・寄河景と、幼馴染の少年・宮嶺望の歪な愛の物語として見ることもできます。
また、人を惹きつけ操ることに悪魔的な才能を持ってしまった少女が、いかに社会にインパクトを与えるのか、という視点でも見れます。
小説の中盤から、景は『ある目的』のために自殺サイトを作り、運営し始めます。最終的に、間接的なものも含めて三桁以上の死の引き金となり、社会問題とさえなります。
こういった見方では、東野圭吾氏の『虹を操る少年』に少し似ています。
また、この本は最後まで読んでも解釈が分かれるミステリー要素も持っています。作者の斜線堂有紀氏は、あとがきでこのように述べています。
誰一人として愛さなかった化物か、ただ一人だけは愛した化物かの物語であり、寄河景という人間そのものを謎としたミステリーです
恋に至る病 斜線堂有紀 KADOKAWA 2020/3/25 251ページ
本編の最後の4行はまさにこの謎につながっており、決着がつかない難問となっています。
そして、寄河景の人間性について、絶妙なタイミングで新情報が明かされ、そのたびに読者の認識が180度ひっくり返ります。
少し前に映画化された『六人の嘘つきな大学生』にハマったのなら、きっとこの作品も好きになってしまうでしょう。
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