どうも、医学生シン(@BodymakeShin)です!
今回は、少し前に見た映画をご紹介します!
今日ご紹介するのは、映画『シンドラーのリスト』です!
この作品は、クラクフという町でオスカー・シンドラーという男が1000人余りのユダヤ人の命をいかにして救ったのかについて描かれています。
私がシンドラーという人物について知ったのは、東京03のコントがきっかけです。

確か、『融通』というタイトルだったと思います
コント内での豊本さんのセリフでは、オスカー・シンドラーは命令を無視してユダヤ人を助けたって感じでした。
しかし、実際に映画を見てみると、そう単純でもなかったです。
シンドラーは子供向けのヒーローではありませんが、だからこそ戦争の狂気の中で、多くのユダヤ人を救えたのだと思いました。
歴史映画に興味があるのなら、必見の作品です。
映画のあらすじ
主人公のオスカー・シンドラーは、事業で一旗あげようとクラクフの街にやってきます。
そこにはナチスのポーランド侵攻で収容所に囚われたユダヤ人が大勢いて、シンドラーは彼らをタダ同然の労働力として活用することを考えます。
そこで、ユダヤ人の優秀な会計士イザック・シュターンを腹心の部下として雇い、倒産した工場を買い取って軍相手に商売を始めます。
シンドラーはその持ち前の社交性で軍幹部に次々と取り入ることで事業は瞬く間に成長し、彼は大成功を収めます。
彼はいつも自信満々で、高級なスーツを身に纏い、妻帯しているのにもかかわらず愛人を次々と口説いていきます。
酒や女に耽溺し、彼はまさに成功者としての生活を満喫していました。
しかし、新たに赴任してきたクラクフ収容所所長の暴虐な振る舞いに、いつしかシンドラーの心に人命救助の信念が宿ります。
シンドラーは”あるリスト”を作り、それが多くのユダヤ人の命を救うことにつながるのです。
オスカー・シンドラーの変節

この作品の肝は、シンドラーの変化です
シンドラーは、完全無欠のヒーローではありません。女好きで、妻帯しているのに不倫を繰り返すような人物です。
ユダヤ人のことも、最初は便利で安価な労働力としか思っていませんでした。
そういった姿勢もあって、最初は腹心のイザック・シュターンからは冷たく接されていました。
しかし、戦争が激化し、ユダヤ人への風当たりが強くなってくると、段々シンドラーの心境が変わっていきます。
彼は軍人に賄賂を送ったり、ハッタリをかましたり、虚実交えて様々な手練手管を駆使しながら、ギリギリのところでユダヤ人の従業員を守ります。
その熱意・信念が伝わったのか、妻や腹心のイザック・シュターンからも本物の経営者と認められていきます。
こういったシンドラーの変節がよく分かるシーンに、従業員の子供を熟練工と呼び、軍人から取り戻すシーンがあります。
彼は連れ去られそうになる子供の手を引き、軍人の鼻先までにじり寄って一喝し、子供を連れ戻します。
銃で武装した相手に、ハッタリと度胸で従業員を守る姿は、まさに経営者です。

シンドラーの変化には、情けないキャラクターが土壇場で成長するときのような、応援したくなる気持ちが湧いてきます
戦争の狂気
この作品が表現しているもう一つのことに、戦争の狂気があります。

私はこの映画を見るまで、戦争の狂気とは合理性の追求だと考えていました
例えば、社会福祉や弱者救済は、短期的に見れば非合理です。だから、戦争という余裕のない状態では、福祉が真っ先に削られると考えていました。
老人や病人への風当たりの強さも、余裕がないゆえの無機質な合理性によるものと考えていました。
しかし、この作品で描かれるユダヤ人虐殺は、非合理の極みです。
作中、ユダヤ人女性が『自分たちは貴重な労働力なのだから、殺されることはない』と現実的で合理的な展望を口にしています。
しかしナチスの将校は、合理性などには一瞥もせず、ユダヤ人を次々と射殺していきます。
中には、ナチス将校に正しい忠言をしたにも関わらず、殺されてしまった女性もいます。しかも、将校は忠言の正しさは認めた上で、です。
シンドラーがユダヤ人を救うときに使う口実も、『彼らは自社の貴重な労働力であり、失えば損失を被る』です。
シンドラーの経済的合理性が人命尊重につながり、軍の非合理さが人命を踏みにじります。
戦争の狂気とは、無機質な合理性の上にあるのではなく、むしろ無秩序・非合理の中にこそあるのだとこの映画は訴えかけてきます。
見て楽しめるような作品ではありませんが、人として忘れては言えない大切なことを訴えてくる名作です。
歴史映画で何を見ようか迷ったら、『シンドラーのリスト』をおススメします。
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